SEMIプレスリリース
2024年4月11日更新
INDEX
掲載日 表題
2024/4/11 2023年世界半導体製造装置販売額は1,063億ドルに減少New
2024/3/24 300MMファブ装置投資額は2027年に1,370億ドルに到達
2024/3/22 世界OSAT工場データベースを670工場に拡大
2024/2/20 世界半導体製造産業、2024年の回復に向けた準備が整う
2024/2/10 2023年のシリコンウェーハ世界市場 出荷面積・販売額は縮小
2024/1/10 2024年の世界半導体生産能力は過去最高月産3,000万枚へ



2023年世界半導体製造装置販売額は1,063億ドルに減少

SEMIは、半導体製造装置(新品)の2023年世界総販売額が、過去最高額を記録した2022年の1,076億ドルから1.3%減少となる1,063億ドルであった。

地域別では、中国、韓国、台湾のトップ3地域が世界の半導体製造装置市場の72%を占めており、そのうち中国が引き続き世界最大市場となった。中国の投資ペースは前年比29%増と加速し、2023年は366億ドルに到達した。世界第2位の市場である韓国は、需要の軟化とメモリ市場の投資調整を受けて前年比7%減の199億ドルとなった。これまで4年連続成長を続けていた台湾市場も2023年は27%減の196億ドルとなった。

北米の半導体製造装置市場はCHIPS法による投資が大きく、15%の増加となった。欧州も3%の増加を記録。日本およびその他地域への装置販売額は、それぞれ前年比5%と39%の減少。

SEMIは、「世界の装置販売額は若干の落ち込みを示しましたが、主要地域における戦略的投資に後押しされて半導体産業は依然として力強さを示しています。2023年は総合的に半導体業界の観測者の多くの予測を上回る結果となりました。」

装置分類別では、ウェーハプロセス用処理装置の販売額が1%上昇し、その他前工程装置は10%増。組み立ておよびパッケージング装置は、2022年の減少に引き続き2023年も30%減となり、テスト装置の販売額もトータルで17%減。

■2022-2023年半導体製造装置市場(地域別、単位10億米ドル)
地域 2023年 2022年 前年比成長率(%)
中国 36.6 28.27 29%
韓国 19.94 21.51 -7%
台湾 19.62 26.82 -27%
北米 12.05 10.48 15%
日本 7.93 8.35 -5%
欧州 6.46 6.28 3%
その他地域 3.65 5.95 -39%
合計 106.25 107.64 -1%
(出所:SEMI/SEAJ 2024年4月)

詳細は「2023年世界半導体製造装置販売額は1,063億ドルに減少」参照。

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300MMファブ装置投資額は2027年に1,370億ドルに到達

SEMIは、世界の300mm半導体前工程ファブ装置への投資額が、メモリ市場の回復とハイパフォーマンス・コンピューティングおよび車載アプリケーションからの強力な需要増加により、2025年に初めて1,000億ドルを超え、2027年には1,370億ドルに到達する予測。

世界の300mmファブ装置投資額は、2027年の最高値に向かって、2025年に20%増の1,165億ドル、2026年に12%増の1,305億ドルと成長を続ける見込み。



地域別投資額
・中国
政府支援ならびに国内自給政策によって今後4年間にわたり毎年300億ドルを支出し、300mmファブ装置の投資を引き続きリードすると予測されます。
・台湾および韓国
デバイスメーカーは、ハイパフォーマンス・コンピューティングに向けた最先端ノード需要の拡大ならびにメモリ市場の回復によって、300mmファブ装置投資額を増やしています。2027年には、台湾の投資は2024年の203億ドルから280億ドルへと増加し第2位となり、また韓国は2024年の195億ドルから263億ドルへと増加し第3位となることが予測されます。
・米州
300mmファブ装置投資額は、2024年の120億ドルが2027年に247億ドルへ倍増する見込みです。
・その他の地域
2027年の投資額は、日本が114億ドル、欧州/中東が112億ドル、東南アジアが53億ドルに達する予測となっています。

分野別投資額
・ファウンドリ分野
10nm以上の成熟ノードの投資減速が予測されることなどから2024年は4%減の566億ドルとなる見込みであが、この分野の成長は、生成AI、車載、インテリジェント・エッジ・デバイスの需要に応えるため、ほかの分野を上回る成長記録を継続。この分野の300mmファブ装置投資額は、2023年から2027年にかけて年平均成長率(CAGR)7.6%で増加し、791億ドルの予測。
AIサーバーに不可欠なデータスループットの向上が、広帯域幅メモリ(HBM)の強力な需要増加を喚起し、メモリ技術への投資拡大に拍車。
・メモリ分野
2番目の投資額となり、2027年の300mmファブ装置投資額は791億ドルに達し、2023年からの年平均成長率(CAGR)は20%となる見込み。DRAM の投資額は 2027 年に 252 億ドル(CAGR 17.4%)に、3D NAND の同年の投資額は 168 億ドル(CAGR 29%)に達することが予測。
・アナログ、マイクロ、オプト、ディスクリートの各分野
2027年の300mmファブ装置投資額は、それぞれ55億ドル、43億ドル、23億ドル、16億ドルへと増加する見込み。

詳細は「300MMファブ装置投資額は2027年に1,370億ドルに到達」参照。

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世界OSAT工場データベースを670工場に拡大

〜新版は追跡する工場が33%増、パッケージング技術と工場認証にハイライトを当てる〜

SEMIは、TechSearch Internationalと共同して、Worldwide Assembly & Test Facility Databaseの新版を発表し、OSAT500工場、IDM170工場を含む対象工場を、前回よりも33%多い670工場に拡大した。

フリップチップバンピングおよびアセンブリ、ファンアウトおよびファンイン・ウェハーレベル・パッケージング(WLP)、スルーシリコンビア(TSV)、2.5Dおよび3D機能と定義された各工場によるパッケージング技術についても言及。


詳細は「世界OSAT工場データベースを670工場に拡大」参照。

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世界半導体製造産業、2024年の回復に向けた準備が整う

SEMIは、電子機器およびICの売上高が2023年第4四半期に増加し、2024年にはさらなる伸びが予測され、世界半導体製造業界の回復が定着しつつある。

2023年第4四半期の電子機器売上高は前年同期比1%増となり、2022年下半期以来のプラス成長となった。この成長は2024年第1四半期にも継続し、前年同期比3%増が見込まれる。同時にIC売上高も需要の改善と在庫の正常化が進み、2023年第4四半期には前年同期比10%増加をし、成長に転じている。2024年第1四半期のIC売上高は、前年同期比18%増とさらに増加することが予測。

設備投資とファブ稼働率は、2023年下半期の大幅な落ち込みの後、2024年第1四半期から緩やかに回復をする見込み。

2024年第1四半期は、メモリ設備投資が前期比9%増、前年同期比10%増、また非メモリ設備投資が前期比16%増となる見通しですが、2023年第1四半期の水準には到達しない見込み。ファブ稼働率は、2023年第4四半期の66%から2024年第1四半期には70%へと改善している。一方、ファブ生産能力は 2023年第4四半期に1.3%増加し、2024年第1四半期も同程度の増加が予測される。

2023年の設備投資額は予測を上回ったが、2024年上半期の伸びは主に季節性の影響を受けて鈍化することが予想。



詳細は「世界半導体製造産業、2024年の回復に向けた準備が整う」参照。

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2024年の世界半導体生産能力は過去最高月産3,000万枚へ

シリコンウェーハ業界の分析結果をもとに、2023年のシリコンウェーハの出荷面積が前年比14.3%減の126億200万平方インチ、販売額が前年比10.9%減の123億ドルとなった

過去3年間の連続成長から急転した市場の縮小は、最終需要の鈍化が広範囲な在庫調整と重なったことに起因。メモリ分野とロジック分野の需要軟化が300mmウェーハの受注減につながり、一方でファウンドリとアナログのウェーハ消費量の減少によって200mmウェーハの出荷面積が減少。

SEMIは、「300mmのポリッシュドウェーハとエピタキシャルウェーハの出荷面積は、2023年にそれぞれ13%と5%の減少となった。全ウェーハサイズの総出荷面積は、2023年下半期に上半期から9%減少した」

半導体用シリコンウェーハ市場の年次動向
出所:SEMI、2024年2月
2019 2020 2021 2022 2023
出荷面積
(百万in2)
11,810 12,407 14,165 14,713 12,602
出荷額
(10億$)
11.2 11.2 12.6 13.8 12.3
半導体用シリコンウェーハの出荷面積のみ。太陽電池用は含まれない。

詳細は「2023年のシリコンウェーハ世界市場 出荷面積・販売額は縮小」参照。

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2024年の世界半導体生産能力は過去最高月産3,000万枚へ

SEMI、2024年の世界半導体生産能力は6.4%増となり、初めて月産3000万枚(*wpm)の大台に乗るとの予測。(2023年は5.5%増の29.6wpm)

2024年の成長は、最先端ロジックとファウンドリーの生産能力増強、生成AIやハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)を含むアプリケーションおよびチップの最終需要の回復によってもたらす。2023年は半導体市場の需要減退とそれに伴う在庫調整により生産能力拡大が鈍化した。

SEMIは、「復活する市場需要と世界的な政府のインセンティブ増加が、主要なチップ製造地域における工場投資の急増を後押しし、2024年の世界生産能力6.4%増加すると予想。国家と経済の安全保障における半導体製造の戦略的重要性に対する世界的な注目の高まりが、このようなトレンドの重要なきっかけとなっている」

2022年から2024年までは、世界の半導体業界はウェーハサイズを300mmから100mmまで広げながら、2023年の11プロジェクトと2024年に42プロジェクトを含む、82の新しい量産工場の操業開始を計画。


中国が半導体産業の拡大をリード
政府の資金援助やその他のインセンティブに後押しされ、中国は世界の半導体生産におけるシェアを拡大すると予想。中国のチップメーカーは、2024年に18のプロジェクトの操業を開始し、2023年の生産能力は前年比12%増の760万wpm、2024年の生産能力は前年比13%増の860万wpmになる見通し。
台湾
半導体生産能力で第2位を維持し、2023年には生産能力を5.6%増の540万wpm、2024年には4.2%増の570万wpmとなると予測。この地域では2024年に5つの工場が操業開始予定。
韓国
半導体生産能力は2023年に490万wpm、2024年に510万wpmで第3位となり、1つの工場が操業を開始すると5.4%増加する見込み。
日本
第4位で半導体生産能力は2023年に460万wpm、2024年に470万wpmとなり、2024年に4つのファブが稼動するため、生産能力は2%増加すると予測。
米国
2024年に6つのファブを新設し、チップ生産能力を前年比6%増の310万wpm。
ヨーロッパと中東
4つの新ファブの稼動開始により、2024年の生産能力は3.6%増の270万wpmと予測。
東南アジア
4つの新しいファブ・プロジェクトが稼動し、2024年には生産能力が4%増の170万wpmとなる見込み。

ファウンドリ・セグメント、生産能力の力強い伸びが続く
ファウンドリーサプライヤーは半導体製造装置購入者の上位にランクされ、2023年の生産能力は930万wpm、2024年には過去最高の1,020万wpmに拡大すると予測。
メモリ部門はPCやスマートフォンを含む家電製品の需要低迷により、2023年は生産能力の拡大が鈍化。
DRAM セグメントは2023 年は 2%増の 380 万wpm、2024 年には 5%増の 400 万wpmとなる見込み。
3D NANDの生産能力は2023年に360万wpmと横ばい、2024年は2%増の370万wpmと予測。
ディスクリート半導体とアナログ半導体分野は、自動車の電動化が引き続き容量拡大の主な原動力となっている。ディスクリート半導体の生産能力は2023年に10%増の410万wpm、2024年には7%増の440万wpm、アナログ半導体の生産能力は2023年に11%増の210万wpm、2024年には10%増の240万wpmと予測。

*200mm換算
詳細は「2024年の世界半導体生産能力は過去最高月産3,000万枚へ」参照。

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