2001年9月6日更新
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  2001.9.6:SEMI Forum Japan 2001報告(川名氏)New
  2001.9.5:SEMI Forum Japan 2001報告(稲永氏)
  2001.9.3:SEMI Forum Japan 2001報告

  *( )内のお名前の方は投稿やお願いをして掲載いたしました。



SEMI Forum Japan 2001報告(川名氏)

■2001.9.6
私は30日MEMS, 31日SSISのセミナーに出ました。大いに勉強になりました。
牧本さんの講演とパネル討論会についての感想を述べさせていただきます。

森山さんの問題提起だった、中国半導体の勃興によって日本の半導体は中国に依存するよう
になるのか、という問題に対して正面から議論が無かったような気がして心残りです。
今まででも韓国のDRAM、台湾のファウンドリーに日本はかなり依存せざるを得ない状況になり、
半導体ビジネスの質を問われてきました。
牧本さんがソニーの熊本工場ではCCDの生産拡大を行なうという話があり、さらに泉谷さんから
アメリカのインテルが自分の主力のマイクロプロセサーを海外に出しますか、TIが主力のDSPを
外に出しますか、と強い反論をしていたのが印象的です。
牧本さんが日本にはデイジタル家電があるでは無いか、といったとき、それは正しかったと思い
ますが、台湾、中国の強力な設計陣、TSMCなどの先端的なプロセス技術と生産性、勃興する
中国の低価格戦略に対して、日本勢はどう戦うのか、日本の半導体の存在意義はどこにある
のか、また半導体戦力強化のため、あるいは”日がまた昇る”ためにどうしなければならないの
かもう一歩突っ込んだ議論が欲しかったと思います。そこから強力な戦略が生まれるのではな
いかと思っています。
森山さんはそこを議論したいと思ったのではないでしょうか。

サクセス インターナショナル(株)
川名喜之

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SEMI Forum Japan 2001報告(稲永氏)

■2001.9.5
シーズシーの稲永です。
小生は29日の「JASVADAY」終日と31日の「半導体シニア協会」の14:00以降に参加しました。
この不況下で全国的にも落ち込んでいる関西で不景気の原因のように言われる半導体のフォ
ーラムですから、後ろ向きの内容になるのではないかと心配していましたが、大変な熱気で
有意義な会でした。
この会の前身、昨年までの「セミコン関西」は展示会としては役目を終わった感じでしたので、
このような会に生まれ変わりよかったと思います。(関係者の方々、ご苦労様でした。)
印象に残ったのは基調講演をされた麻生福岡県知事。東京都知事や長野県知事ばかりが
騒がれますが、福岡もすごいですよ!別の機会で半導体産業新聞の泉谷編集長が「日本人は
もっと半導体を勉強したほうがいいですね」と発言されていましたが同感です。そうすると、福岡県
知事はもっと有名人になります。それから「JASVADAY」でプレゼンをされた神戸大学の瀧教授。
産官学の共同というと、掛け声だけで成功例を見たことがなかったのですが先生はビジネスとして
立ちあげていらっしゃいます。ほかにもたくさんありました。
来年以降もさらに内容を充実させて続けてほしいと思います。


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SEMI Forum Japan 2001報告

はじめに
2001年8月29日から8月31日の3日間、大阪国際会議場においてSEMI主催、日本半導体ベ
ンチャー協会/SSIS半導体シニア協会協賛で「SEMI Forum Japan 2001」が開催された。
この期間中、私自身聴講していたが大変ユニークなフォーラムであったので報告する。
「SEMI Forum Japan」は一言で言うならば「一睡もできない」ユニークなフォーラムであった。私の
過去の経験上「一睡もできない」セミナーは記憶にない。確実に寝てしまい、酷い時には、休憩
時間に起き、講演が始まればまた「うとうと」となってしまっていた。ところが「SEMI Forum Japan」
は、今までとまったく異なっていた。
「セミナー=睡眠」という私の公式を完全に吹き飛ばしてくれた。また、期間中の3日間「肝臓」は
フル回転、その為、睡眠時間も4時間程度という過酷な条件を乗り越えてである。ほかの聴講者も
同じ感じを持たれた方も多いと思う。その証拠に講演中、私の知る限り「居眠り」をしている方は
1名もおられなかった。

聴講(参加)したフォーラム
 ・SEMI/JASVA基調講演会(8月29日)
 ・JASVA Day(8月29日)
 ・SEMI Forum Japan レセプション(8月29日)
 ・Factory Integration Symposium(8月30日)
 ・SSIS半導体シニア協会シンポジウム(8月31日)
各フォーラムは、趣向をこらし、しかも「議題のポイント」をはずす事無く、そして、
満席状態であった。

各フォーラムで特に印象に残っている事柄
「SEMI/JASVA基調講演会」
最初は、福岡県知事麻生氏。
これは、正に「株式会社福岡県 代表取締役社長 麻生渡」というべき話、講演であった。
「設計開発拠点の構築」を知事自ら先頭だって実行している事に共感を受けた。地方の時代とは、
産官学を先頭に立ち実行することと感じる。知事が「こういったフォーラムで半導体に関する事を
講演するのは、記憶にない。将来的には、育った企業から税金が落ちることを「講演の中では
一言も言わなかったが」期待しているのだろう。(経営者、地方都市として)成功してほしい!
次の講演は、堀場製作所会長堀場氏。
1人壇上にあがり資料等は一切なし。何が、始まるのかと思うと「語り口調」で話し始めた。話を
聞いていく内に、話の中に「入り込んで」しまう。非常に魅力のある、話、口調、「桂 枝雀」さんの
語り口調に共通するところがある。資料は、なくてもこの「語り」を聞いていればよい(動かされる)
と感じてしまう講演であった。
最終日のシニア協会の座談会に出席した堀場製作所人事部長野崎氏の発言にもうかがえる。
「JASVA Day」
大手半導体メーカーが総倒れで大リストラがある中で、意気の上がるファブレスメーカーの戦略。
隙間を狙いそこに自分たちのノウハウを入れ込み他社にないものを作り上げて行く。
そうすることでファブレスメーカーは「プラス成長」。
神戸大学の教授であり株式会社社長の瀧氏も特化した技術で設計会社を作っている。
また、実装技術でまず日本で製品技術をつくり、その後世界展開を狙うノースの飯島氏には
勇気ずけられる
隙間産業という言葉があるが将来はそれらが作り出した商品が核となる産業になるのであろう。
「Factory Integration Symposium」
午前中はプレゼン、午後からは「グループ討議」。ただ聴講し聞くだけでなく参加し発言する(発言
させられる)。今まで、あったようで無かった形のフォーラム。
こういった「グループ討議」で結論は出なくてもお互いの意見を聞き、会社に戻った後も、会社間で
の意見交換が始まる。こういった継続的なつながりができる点で非常にいい企画であった。
「SSIS半導体シニア協会シンポジウム」
目的は、勧誘活動?といいながら、興味のある内容であった。
「男性社員に望むこと」とタイトルのついた座談会。現在活躍する3人の女性人による座談会。
タイトルと異なり3者からの発言は「男性社員に望むことはありません」ある意味「非常に深い
発言であり」、ある意味「私は平等に扱っているわよ」とも思われた。
またソニーの牧本氏の講演は定量的データに基づき(なければ定量化する)講演する姿には、
自分自身に反省しきり。時に現在の半導体不況を地震と同じM(マグニチュード)で示したのは、
現実の感触とあっている数値で興味深く聞いた。予測と実績の乖離量で見る方法は、
「なるほど」とうなずける(現実とデーターがより近くに感じるためであるが)
(75年のオイルショック時はM4、85年円高時はM23、96年の大不況時はM227、現在の
不況はM336になる)
最後の締めくくりは「神?」の領域の話まで出てきた。
シニア協会又はシニアと呼ばれる世代の奥深さ(幅の広さ)を感じる。やはり経験からの話は
重みが出るのか?神がかりになるのか?
「SFスクランブルカフェ」
フォーラム終了後にざっくばらんな意見交換の場、そしてその後小パーティ。こういった企画もあり
そうでなかった。進行する方は、出席した全ての方に話をするようにもって良く。普通であれば
身内だけでグループになりその後流れ解散となるが、一味違っていた。
参加している方も一言話せば・・・・

3日間で印象に残った言葉、考え方
 ・半導体不況指数「マグニチュード」(ソニー:牧本氏)
 ・昔「女心と秋の空」、今「女心と半導体」(ソニー:牧本氏)
 ・技術者の3つの必要要件(ザインエレクトロニクス:飯塚氏)
   1.プロセスが分かっている技術者。
   2.マーケットを読む事ができる技術者。
   3.ビジネスデザインを作ることができる技術者。
 ・産学官連携(各フォーラム)
 ・PPK運動(ピカピカコロリ運動)(堀場製作所:堀場氏)
 ・徹底的にやる。時間を有効的に使う事。(堀場製作所:堀場氏)
 ・未来は、自ら作り上げていくもの(堀場製作所:堀場氏)
 ・日本の強み、デジタル家電を持っている(半導体新聞:泉谷氏、他)
 ・他社が乗り出さない物を設計すると、お客がくる。(リアルビジョン:杉山氏)
 ・日本は物つくりを得意とする、したがって日本で作りそれを海外展開する
  (ノース:飯島氏)
 ・プロセス、製造、装置を作る(ノース他)
 ・できるところからやる(設備管理:グループ討議にて)
 ・業界の閉鎖性(設備管理他)

これからの「SEMI Forum Japan」に期待すること
 ・今回の様に独自性をもったユニークなフォーラムを第2回以降も継続してほしい
 ・各フォーラムの出席者数は100−200名ぐらいが丁度良い。300名以上の大規模にはして
  ほしくない。100−200名レベルは、聴講でなく「参加」型フォーラムに適した人数。スピーカー
  の顔も見え、質問もできやすい。
 ・フォーラムが同時に開かれている為、聞きたい項目が聞けない。
  できれば、SEMI Japanやプログラム委員の方々にポイントとなる点をメモして頂、後日HP等で
  報告してほしい。
 ・グループ討議は、今後も継続して欲しい。また個別の会議室を取っていただいたほうが良い。
  集中できないところがある。
 ・グループ討議をさらに拡大して行けばより具体的になる。(分科会等へ)

注記
上記内容は私自身が印象に残った事柄を主にまとめたものであり、講演内容等とは若干の
ギャップのあるものもあります。

お願い
「SEMI Forum Japan 2001」へ出席された方で、追加する項目等がありましたら「本リポート」に
追加掲載したいと思います。下記の「ご意見・連絡」からメールをいただければ幸いです。

(注)「SEMILINKS」は、現時点では収入がありませんので、大変申し訳ございませんが、
掲載してもお礼はできませんので、予め「ご理解」「ご了解」をお願いいたします。(和)

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